まいそうになる
お空の雲が白いのも、 天狗の鼻が赤いのも、 みんな私が悪いのよ。
そんな気がする今日この頃、 とばかりに、
部屋に埋め尽くされた村人たちの肩が ずりずりと下がっていった。
じっと聞いているだけで げっそりしてしまう。
平気そうな様子をしているのは、 もはや村長一人である。
それだけのことで、 うっかり尊敬してしまいそうになる。
永遠とも思える 長く重苦しい時の流れに 溺れ死んでしまいそうになった頃、
やっと講義が終わった。
「では、 九日後の教えの集いまで、 皆、 気を引き締めて 滞りなく過ごすよう」
九日に一度、 毎回こんなつらい目に遭っているのかと思うと、
村人たちが気の毒になってしまった。
よそ者相手に 憂さ晴らしをしたくもなろうというものだ。
耳の中が、 ついでに 頭の中までジンジンしている。
三人は、 何をしにここまで来たのかまで 思い出せなくなっていた。
村人たちは、 気力を使い果たしたように うなだれてぞろぞろと部屋を出ていく。
その中に、 一人だけ 穂田里にガンを飛ばしてきた若いのが居た。
寝床山に登ろうとした時に、 棒を持って殴りかかってきた男だ
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おかげで 正気のかけらを取り戻した。
責任者に直談判するのだった。
聴衆は すっかり出て行ってしまい、
残ったのは 三人の他には、
声の大きな大男と 置物のように動かない 皺だらけの村長だけになった。
村長に声を掛けたが、 反応がない。
皺に埋もれた目は 明いているのか 瞑っているのか 判断に迷う
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もしや気絶していたのではと、 顔の前で 掌をひらひらと動かしてみると、
「おお、
わざわざ導師の説教を聞きに戻るとは、 おまんらあ、 たいそう物好きだら」
動いた。
耳障りな大声で言いながら、 耳の穴から耳栓をはずす。
導師と呼ばれた大男は 先刻承知しているのか、 それを見ても 特に文句を言う様子がない。
あなどれない村長である
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